2017/06/12
ブータンに来て3か月が経ちました!!
なかなかフエイスブックやブログの更新の連絡が出来ずで(^_^.)
相変わらず買い物難民 & ときどき情報難民でもありますが、元気に活動しています。
今回は、活動報告をちょっこし書きたいと思います。
赴任してすぐの頃に考えていた活動予定としては、12月頃までは、
①ブータンの建築工法や水道工事の工法、材料などの情報収集をする。
②どのような授業の進め方をしていて、どのようにフォローしたらよいか ゆっくりじっくり時間をかけて観察し、その後の活動計画をたてる。
ということで、授業を受け持つとしても年明けになると思うけど、いいよね!?
と提案したところ、「意義なし!?」 ということだったので、おお~ラッキーヽ(^。^)ノ
くらいに思っていたのですが・・・
思ったよりも忙しい日々でして、2年生は頻繁にOJTの現場に行くので、自分もあちらこちら連れ回されました。
標高3500m近くある寺院での建築作業は、地獄です。
いや、実際は自分は写真係なのでなんの作業もしていまでんが、階段の昇り降り、ちょっとしゃがんだ後に立ち上がる・・・
それだけで、立ちくらみをします。
標高3,500m付近にある寺院の建築現場(タルパリン)
こんな高地でも犬はたくさんいます。そして、仔犬も(#^.^#)
(石工屋(左官屋)さんは、子連れで仕事してました。とにかく重たい物を1日中運んでました。カラムーチョあげました(^_^.))
そんな日々を過ごしまして、いろいろな問題点は別の機会に譲るとして、まあ、ブータンの建築事情や水道事情は、ほぼほぼ理解出来ました。
学校の授業はというと、第一印象、思ったよりちゃんとやってるんだなあというのが正直な感想でした。
自分の想像(妄想?)では、工具も少なく、材料も少なく、先生もあまりちゃんと教えず、生徒はイメトレで実習してたりするのかと思っていました。
工具こそ原始的で粗悪な工具を使っていますが、練習する材料の予算はギリギリあるみたいです。
授業については、カウンターパートとの人間関係がちゃんと構築されるまでは、何も言わないと決めていました。
しかし、ご近所の90%は学校関係者というせま~い世界で毎日過ごしていますし、何も娯楽はありませんので、
ご飯を一緒に食べたり、野菜をもらったり、サッカーしたり、近所の子どもと遊んだり、ドローンを墜落させられたり。。。
すっかり?? 打ち解けてきた感じです。
カウンターパートは総勢4人いるのですが、メインで面倒みてくれるのは1年生の担任(プナム・女性)。
カウンターパートのプナム
彼女は最初の頃、私のことを校長の手下、もしくは省庁からの回し者!?みたいに思っていたようでかなり警戒していました。
授業をみられるのも嫌だったみたで、たまに今日はたいしたことしないから自分の仕事があるなら参加しなくて大丈夫なんで・・・
とか、
準備が終わったら声かけに来るから、それまでオフィスで待ってて!! と言ったまま声かけられなくて放置とか・・・
まあ、そりゃそうだよな、彼らからしたら、日本がどれだけすごいか知らないけど、突然来てあれこれ言われたら気持ちよくないだろうし。
ブータン人、プライド高いしね。
そんなこんなも察することが出来たので、言いたいことがあってもとにかく我慢して(笑)
授業については、「まだ見学させてもらってるだけだから」と、あまり多くを語らず世間話や笑い話しをしながら1か月くらい過ごしたら、警戒感はすっかりなくなり、
今やフィードバックやフォローを入れると、素直に取り入れたりしてくれるので、活動がしやすい環境が思ったより早く作ることができたと思っています。
本当は、授業についてはそれなりに指摘したいことは(たくさん)ありました。
それでも、まだまだ、ゆっくり、焦らずと自分に言い聞かせて、ノートにメモを取ることに集中。
でも一度だけ、間違ったことを教えていた時は、授業を止めて指摘しました。(大事なところだったので)
ほんの少しだけ言い合いになってしまったけど、その後すぐに間違いを認めてくれて、ほっ(^_^.)
彼女は気が強くあまり人の話しを聞かず機関銃のようにしゃべるので、何度かケンカっぽくなったこともありますが、
早朝にジョギングするほどの仲に!?
結局、2人とも朝が弱いから1日坊主だったけど(笑)
自分より1か月後に2人、2か月後に1人、新卒の先生が赴任してきて、若者同士!! じゃなかった(^_^;)
新人同士でも仲良く遊んでいます。
ところで、急遽!? ついに授業開始しました~
当初の予定では年明けからだったのですが、
どうしても実習について口を挟みたくて、実習の前に1時間だけ時間をもらって授業させてもらいました。
題して 「金属管の加工方法」 とだけ言って、本当は 「5Sの実践と環境教育」についても熱く話しました。
おいおい、金属管の加工と環境教育、全然繋がりが見えないんだけど。。。。 って言われそうですが。
8月後半から金属管にネジを切る作業(電動の機械は使いません)をするのですが、みんなうまくいきません。
というのも、ネジを切る作業に必須なオイルをほとんど使わないのです。
オイルを使わないので ⇒ 力でネジを切ろうとする ⇒ 工具が壊れる(欠ける) ⇒ うまく作業ができない ⇒ 2人がかりでネジ切ろうとする・・・
悪循環極まりない状態ですが、カウンターパートは実務をほとんど知らないので、
私は「オイルをもっと使え」とたびたび言ってはいたのですが、オイルを使う意味をちゃんと理解していないようでした。
そこで授業では、
アイスブレイクに、スライドを使った間違い探しゲーム。
これは、3-4歳の子対象だよ!! 2人に当てたけど2人とも間違え~
いや、実は俺もわからんかったけどね。
そんなこんなを重ねて、実際に自分達の作業写真を見せます。
違いはな~んだ。
次に、ネジを切る映像を見せました。
おばちゃん?がネジを切るポイントを上手にまとめた映像をユーチューブで見つけたので、それを見せて、自分達との違いを考えさせました。
「工具の色が違う」、「工具が新しい」など、そんな答えが出るのは予想していたけど、オイルに着目した答えも出て、ホッとしました。
その後は、オイルを使わないとうまく作業が出来ない ⇒ 工具がすぐだめになる ⇒ 工具を買わなきゃいけなくなる ⇒ お金がなくなる
「工具は職人の命、 工具がなかったら、この作業できないよね??」
とにかく物をすぐに投げる性格の彼ら、実習中も工具が宙を飛びます。
私からすると、工具が宙を舞うような行為事態が許せないのですが、とにかく物を大切に扱うことを学んでほしかったのです。
もちろん、1時間じゃ足りませんので、今後もしつこく継続していきます。
そして、もう1つどうしても学んで欲しいことがありました。
それは、ゴミについてです。
なんと、彼らは平気で実習中のゴミもそこらへんに投げてしまいます。
そもそも風習として、神様におすそわけをするという意味あいで、食べ物や飲み物を少しばら撒く習慣があります。
外はもちろんですが、家の中だろうと人の家だろうと関係なく行います。
そこらじゅうにゴミを捨ててしまうのは、どうも、そのあたりの風習が悪い方向に流れている気がしています。
ゴミを投げ捨てる行動に悪気がない感じがします。
授業の話しに戻りますが、
日本、そしておそらく先進国では、ネジを切る作業ををする時、オイルが垂れるので下にバケツを置いて床や地面が汚れるのを防ぎます。
ゴミや削りカスを入れたりするゴミ箱としての役割もあります。(ちなみに先進国ではあまり手動でネジ切りはしないですけどね。)
汚さないで作業(仕事)することは、私達日本人にとっては当たり前ですが、この国ではそうではありません。
後で一応、掃除はするのですが、作業で出たゴミは、作業中は散らかしっぱなしです。
本当の意味で「5S」を身につけてもらうためにも、片づけながら綺麗な状態で仕事をするということを身に着けて欲しいと考えています。
同時にゴミをそこらへんに投げ捨ててはいけないことも知って欲しいと考えています。
特に実習が屋外なので、プラスチックの配管を切ったりした時は、その破片を草むらや川に投げてしまいます。
仕方ありません。少なくてもここで働いている先生も結構そこらへんに物投げ捨てるし、きっと彼らの親もそうしてたのでしょう。
同僚の大半は結婚して子どももいますが、3歳の女の子が嫌いなニンジンを食べずに何個も部屋の片隅に投げているのを見て、軽くショックを受けました。(ちなみに私が作ったシチューだったので余計に(笑))
でも、絶対にこの行為は変えてもらいたい、少なくても2年間関わる学生たちだけでも気づいて欲しいと思っています。
そこで、スライドで
「ブータンは本当に美しい国ですか?」
と問い、
学校の裏のゴミ捨て場の写真、自分達が実習でそこらへんに投げ捨てた配管の写真をみせて、どう思うか聞いてみました。
「プラスチックの配管やゴミは、いずれ土になりますか??」
「ならないよね!? 土にかえるようだったら、土の中に配管埋められないよね」
「じゃあ、これみてどう思う?」
「よくないよね。」
「じゃあ、ここに住む神様はどう思ってるのかな?」
「怒ってる?? 俺はね、神様は怒るってより、すごく悲しんでると思うよ。」
「あんなにみんなで、食事のおすそわけとかしてくれて神様の存在を信じて崇めたててるのに、土に返らないゴミ投げちゃうんだもんね」
てな感じで、考えてもらいました。
(ちなみに、神様がどのように人格化されているのかわからなかったので、スライドでは泣いてるピカチューを使いました)
もちろん、1回で彼らの行動が完璧になるなんて思っていません。 継続は力なり。。。
また話しは元に戻りますが、本来ならばネジ切りに必要な 「オイル差し」 が足りていませんでした。
ゴミに関してもも前述したとおり、片づけながら作業(仕事)をする習慣がないので、オイルを受けたり、実習中にゴミを入れるゴミ箱もありません。
本来ならば、これらの必要性をプレゼンして学校に買ってもらうのが筋ですが、1年生たちは入学してきてまだ3か月足らずです。
とにかく早い段階で悪しき習慣を改めさせたかったのもあり、自腹で 「オイル差し」 と 「ごみ箱変わりにもなるオイル受け」をネットショッピングで購入して日本から空輸し、
作業中に使うように指導しています。
もちろん、すぐにはうまくいくとは思っていませんが、1年生の彼らとは長い付き合いになるので、卒業する頃は私が言いたいことは理解してくれるようになってくれることでしょう(^_-)-☆
お付き合いありがとうございました。
よかったら、ドローンの映像もご覧ください!!